2015年5月2日土曜日

北杜市長に対する太陽光発電設備設置に関する要望書(4月22日)

 太陽光発電を考える市民ネットワークから北杜市長に対し、4月30日までに回答を求める要望書が提出されました。下記が記事です。




2015422 (水)
北杜市市長
白倉政司 様
太陽光発電を考える市民ネットワーク
   共同代表: 石田良介・猪原弘子・高橋正夫・田中正、 内藤由冶・中哲夫・ 野上悦郎・弘田由美子・
帆足興次・堀内正人・牧野州哲(50音順)
所在地:山梨県北杜市小淵沢町上笹尾3332-2007
メールアドレス:yametebassai@yahoo.co.jp



太陽光発電設備設置に関する要望書


 現在、北杜市が誇る美しい山岳景観と貴重な自然環境は、至る所に無秩序に出現する地上設置型太陽光発電設備により、急速に破壊されつつあり、多くの市民は疑問と不安を抱いております。 私達は再生可能エネルギー推進の一環としての太陽光発電の導入そのものに異を唱えるものではありませんが、如何なる施設でも、設置に対しては相応の秩序を保つためのルールが必要であると考えます。 特に北杜市のように、自然環境豊かな森林地帯や緑地に突如として異質な発電所が多数設置されている現実を考えれば、規制が無ければ永い歳月をかけてつくられて来た貴重な自然環境や景観は失われてしまいます。

東日本大震災により多くの原子力発電所稼働停止し、政府は関連法規の整備が不十分なままに固定価格買取制度を開始しました。 送電網容量等の多々の問題が発生し、順次、この制度が見直されつつありますが、根本的な解決には相当の時間が掛かるものと思われます。 こうした状況下、日照時間に恵まれた北杜市には全国や海外からの多くの太陽光発電関連業者、投資家などがビジネスチャンスと殺到し、既に4,347件(20151月末時点10kW以上)もの事業が認定されました。 201411月末での稼働件数が581件ですから、今後さらに3,766件という莫大な数の設置が予定されています。 現状でさえも森林地帯はパッチワークの様相を呈しており、今後、これらが全て設置されれば、自然や景観に及ぼす影響は計り知れず、後世に禍根を残さない為にも将来を見据えた対策を講じる事が急務と考えます。

先日の市議会では、20149月制定された「北杜市太陽光発電設備設置に関する要綱」の「事業者等の責務」で十分対策は講じる事が可能との議会答弁でした。 私たちが市内126ヶ所(既存件数としては23倍になると推定される)を調査したところ、わずか数か所を除いて、設備内容や連絡先の表示等はなく、パネルは全て露出したままで、植栽や緑化措置による景観との調和が施されているところは皆無でした。 要綱だけでは設置に関する指導効果はないと判断せざるをえない結果でした。 この現状に危機感や不安感を募らせた多数の市民や別荘所有者、観光客から景観保全のための法制化を早期に実現すべきとの多くの声が上がり、私たちはそれらの声を市長に届ける為に署名活動を開始しました。 約1ヶ月という短い期間でしたが、5,000筆を超える署名が寄せられています。 条例化への強い皆様の要望を届けるべく、これまでの分を第一回目として、提出させていただきます。 

 早急なるご検討を頂き、2015430までに、ご回答をいただきたく、お願い申し上げます。 

以上


添付: 署名 5,109 筆 (内訳: 北杜市内 2,751 筆、別荘及び土地所有者 379 筆、北杜市外 1,979 筆)


2014年7月2日水曜日

北杜市議会で太陽光発電施設について白倉市長が答弁

 6月25日、北杜市議会において、篠原市議会議員(会派:市民フォーラム)が「太陽光発電の自然環境やまちづくりへの影響」について、白倉市長に対し代表質問を行いました。以下、一参加者からの報告です。


 問題への関心が高いこともあって傍聴席がいっぱいで入りきれない状況でした。
 音声が良く聞き取れない個所もあり、内容に誤りがあるかもしれませんが、以下報告します。

 篠原議員からの質問
 1)現在および見込みの太陽光発電施設の件数
 2)反対住民への見解
 3)条例・要綱の進捗状況
 4)規制地域の設置
に対しての行政の回答は以下のようなものでした。

1.町別の太陽光発電施設の建設の件数(41日現在)
  
地区名
既設件数
既設面積(ha)
予定件数
予定面積(ha)
明野
6
4.8
8
21.3
須玉
3
0.8
2
0.2
高根
18
10.2
9
34.8
大泉
8
0.4
2
0.1
長坂
11
2.7
5
6.6
小淵沢
2
0.8
5
5.3
白州
6
4.4
2
1.2
武川
2
0.4
2
3.2
合計
56
24.5
35
72.5

 (報告者注:市側の報告している件数は実際に我々が把握している件数とはかなり違いがあるように思う)

2.太陽光発電施設のための伐採面積と森林伐採に占める比率
           伐採面積   伐採比率
平成24年      5.37ha  4.1%
  平成25年      7.38ha  5.8%

3.林地開発申請分   15.23ha

4.規制に向けての住民の声は?
→市長:市民から「規制を設けるよう」との声は届いている。

5.小淵沢と、大泉の谷戸組・西井出組からのソーラーによる自然や景観破壊を危惧する手紙などについての見解
→市長:小淵沢からは届いていない。
→市長再答弁:大泉の谷戸組などからの手紙は先週届いたが、まだ内容を把握していない。

6.昨年9月から2度に亘る「景観を保全する」と言う約束はどうなったか?
→市長:太陽光発電設置の届け出の仕組みを検討中で、まちづくり条例や景観条例にそって考える。農山漁村再エネ法が施工されたので、それとの整合性を見て、要綱を作りたい。

7.富士山麓と同様に景観保全の考えを北杜市に導入しないのか?
→市長:富士山は世界遺産であり、北杜市に適用する考えはない。民有地に対する規制は無いので、ゾーニングはできない。

 市民フォーラムの篠原・野中両議員から、このままではどんどん森林が破壊され北杜市の財産である自然環境が失われてしまう早急に条例化を図るべきであり、市長の考えを質しましたが、市長は、「新エネルギーの推進は国策であり優先事項、太陽光発電施設が景観を破壊しているとは認識していない、自然を守ることと両立させる」との返事に、野中議員より「どう両立させるのか」と質問に対し、「共存させる」との市長の答えでした。
  北杜市議会の傍聴などは初めてで、これらのやり取りからソーラーに関する市側の態度に変化があるのかどうか私にはわかりませんが、市民の動きが大きくなってきていることに少し神経質になり始めているように感じました。
  それにしても、景観条例を策定し観光客や移住者・別荘族には北杜市の自然環境を盛んに宣伝しておきながら、一方では、国策だからと言って再生可能エネルギーの無秩序な拡大を推進することで現実に自然や景観を破壊していることに、この程度の認識と対応しか示せない北杜市の市政レベルには失望させられます。